防災用備蓄品とは自宅避難時に使う防災グッズの事で、食料や水・その他ライフラインを備えておく事です。災害が発生したさいは避難所生活だけがイメージされがちですが、実際は自宅避難も多くあります。
また、避難所生活でも自宅に備蓄品があれば取りに戻ることも可能で、報道等でもそのケースを見たことがある方も多いのではないでしょうか?しかし防災備蓄品を揃えようと思っても、何を買えばよいのか分からないために、間違った備え方をしている方が多く見られます。
そこで本記事では適切な防災備蓄品リストの紹介とその保管方法、さらに備蓄方法について解説しています。本記事を最後まで読んでいただければ、災害が発生したときに食料が無くて後悔するなどの最悪なケースは起らなくなります。
必要な防災用備蓄品のリスト
まずは防災用備蓄品のリストを紹介します。
何をどれだけ揃えれば良いのかは以下の表を確認してください。
備蓄品 | 備える量 |
☆保存水 | 1人につき1日3Lが必要(3日~7日分が適量) |
☆非常食 | 3日~7日分 |
☆簡易式トイレ | 1人につき1日5回(3~7日分を準備) |
カセットコンロ | コンロ1台 ボンベは1日につき1本を準備 |
ポータブル電源 | 大容量のタイプを1台 |
☆歯磨きシート | 1家族につき3~4パック |
☆トイレットペーパー | 3日~7日分 |
☆水なしシャンプー | 1家族に1本 |
☆ウォーターバッグ | 1人につき1日2Lを確保できる容量 |
保存水
水の確保は災害備蓄品で最も大切なアイテムです。
一般的に水の備蓄量は1日3L×3日分が目安となってはいますが、個人的には7日分は用意してほしいと考えています。
理由としては、被災地の水道が約9割復旧するまでに「東日本大震災で24日」「阪神淡路大震災では37日」もの日数がかかった実績があるからです。
歴史に残る大震災を例に出しましたが、これらを超える大災害が起こる可能性は十分にある為、やはり少なくとも7日分は準備するべきですね。
また、災害支援による給水車がくるのでこれ以上は必要ないでしょう。
準備する保存水は以下を参考にして下さい。
1人あたり
3L×3日分=9L
3L×7日分=21L
4人家族の場合
9L×4人=36L(2Lペットボトル18本分)
21L×4人=84L(2Lペットボトル42本分)
非常食
非常食も災害用備蓄品のなかで最もたいせつなアイテムです。
一般的に保存が効く食料を備蓄することが進められており、代表各としては乾パンや缶詰などがイメージされると思います。
当然ながらこれらのアイテムも備蓄品として適しており、おすすめしています。
しかし、非常食として大切なのは保存性だけではなく食べ慣れているものであったり、美味しさも非常に大切な要素になっています。
なぜなら、避難生活が長くなるほど、日常と同じように色々なものを食べたくなるからですね。
食事から得られる幸福感や安心感は、災害などの非常時ほど大きく感じます。
被災生活が長引く可能性を考え、日ごろから食べ慣れているものを多めに選ぶようにしてください。
そこで非常食を選ぶ際には以下の基準を参考にして下さい。
- お米・アルファ米・乾パン⇒保存性を重視した主食
- レトルト食品・缶詰⇒ガスや電気を使用しないモノ
- お菓子(甘いもの)⇒精神的に落ち着ける嗜好品
- 野菜ジュース等⇒ビタミン等の栄養補給
順に紹介していきます。
アルファ米
アルファ米とは炊いたお米(ごはん)を乾燥させた保存食で、お湯や水を注ぐだけで食べることができます。
いくつかのメーカーから発売されていますが、イチオシは「尾西食品のアルファ米」です。
理由としては以下になります。
- 70年以上の歴史がある
- 12種で日本災害食認証を取得
- 11種でアレルギー物質不使用
- 5年間の常温保存が可能
乾パン
保存食の定番である乾パンも紹介しておきます。
最新のおすすめは「新食缶ベーカリー」です。
- しっとりやわらかな食感でおいしい!
- 調理不要ですぐに食べられるので非常時に便利
- ワンタッチで開封できるプルトップ缶
- 製造から5年間の長期保存が可能
レトルト食品
レトルト食品はなるべくそのまま食べられるタイプのものを選んでください。
理由としては貴重な水(湯せん用)を使わなくて済むからですね。
缶詰
缶詰は基本的に保存期間が長いのであまりこだわる必要はありませんが、「吉野家の缶詰」は慣れ親しんだ牛丼が食べられるのでおすすめします。
野菜ジュース
野菜ジュースはビタミンやミネラルなどの栄養面を補ってくれます。
エネルギーとしては主食などで十分ですが健康面を考えると不十分ですね。
そこでカゴメの「野菜1日これ1本」がイチオシ。
理由としては以下になります。
- 野菜ジュースの最大手メーカーであること
- 5.5年の長期保存が可能
- 1本160円とコスパが良い点
簡易式トイレ
災害時に断水が発生するとトイレが使えなくなります。
災害にお風呂に水をはる(貯水する)ことはセオリーとされていますが、災害発生直後に断水になるケースや、使い切ってしまうケースが考えられます。
そこで簡易式トイレを活用してください。
これは防災ポーチや防災リュックにも入れておくアイテムですが、備蓄品のなかにもリストアップしてください。
こちらの「驚異の防臭袋BOS」は全く臭いがもれません。
カセットコンロ
災害発生時にはガスや電気などのライフラインが止まってしまうことがあります。
そのさいにはカセットコンロがお湯を沸かすなど、ライフラインの代わりとなりますので必ず備えておきましょう。
また、必要なカセットガスの数は以下の「ガスが9割程度復旧するまでにかかった日数」を参考にして下さい。
- 東日本大震災 34日
- 阪神淡路大震災 61日
以上の事から、ガスの復旧までにはかなりの時間を有することがわかります。
それまでに災害支援が期待できるので全日分備える必要はないですが、7日分のカセットガスは備えておいてください。
それではわたしが普段から愛用しているガスコンロを紹介します。
キャンプや災害支援の際などにいつも使っているイワタニの「タフまる」です。
- 屋外でも風よけがいらない
- 普段使いにもアウトドアにも使える
- その他商品と比較しても見た目がカッコいい
タフまるを実際に使ったレビュー記事はこちらで公開しています。
防災用カセットコンロおすすめ第一位の「タフまる」を徹底レビューします。
ポータブル電源
ポータブル電源はスマホや家電を使用するために必要なバッテリーです。
電気にかんしてはその他ライフラインよりも復旧が早いため、それほど大型のタイプは必要ありません。
また「防災ポーチ」や「防災リュック」の中にもスマホ用のモバイルバッテリーを備えてあるのでそちらと併用すれば安心ですね。
以上のことからわたしがおすすめするポータブル電源は「Flashfishポータブル電源」です。
- 45000mAh/166Whの大容量
- 7Way出力と3Way充電式
- 耐衝撃でとても頑丈(重さも2kg)
- メーカー1年間保証も付いている
歯磨きシート
こちらも衛生面を整えるためには必須のアイテムです。
断水では水が貴重になる為、歯磨きは優先度が高くありません。
その為、何日も歯を磨けない状況が続き大変なストレスになります。
そこで拭くだけで歯の汚れが除去できる歯磨きシートをおすすめしています。
紹介する「和光堂オーラルプラス」はノンアルコール低刺激で赤ちゃんや高齢者にも使用できる上、未使用であれば3年ほど持ちます。
トイレットペーパー
こちらは普段使いのものをそのまま使用してください。
家族が7日ほど使用できる量(1ダースあれば安心)を備蓄しておけばOKです。
我が家はコストコのトイレットペーパーを使用しています。
大容量なので普段用と防災用にわけて使っており、大変便利ですなのでおすすめです。
水なしシャンプー
こちらも断水のさいには必須のアイテムです。
衛生面は後回しにされる傾向があるので、水なしでも使えるシャンプーは非常にありがたいですね。
特に夏の災害時には臭いからくるストレスを大幅に緩和できるため、特に女性にはおすすめしています。
男のわたしが実際に使ってみた感想としては、思った以上サッパリして臭いも消えました。
ウォーターバッグ
ウォーターバッグは給水車から自宅に水を持ち帰るためのアイテムです。
自宅避難でも水の確保は必須になりますから、備えておきたい防災グッズですね。
防災用備蓄品の保管方法
ここからは上記で紹介した防災備蓄品の保管方法について解説していきます。
保管方法のポイントは以下になります。
- 備蓄品ごとに保管場所をわける
- ローリングストック法を使う
備蓄品ごとに保管場所をわける
備蓄品の備え方は、以下の2種類があります。
- 1ヶ所にまとめて備える方法。
- 自宅の色々な場所に分けて備える方法。
1か所にまとめて備える方法は備蓄品の管理がしやすく、場所もまとめることが出来るため日常生活でもスペースを気にせずに備えることができますね。
しかしリスク管理を考えた時、この方法では不十分です。
なぜなら災害時に自宅が被害を受けた場合、1つにまとめてある備蓄品がすべて使えなくなる可能性があるからです。
対して備える場所をわけて保管する方法ではどうでしょう。
保管場所を分散させることで、自宅が被災した場合に備蓄品が全てダメになるリスクを抑える事ができますね。
例えば、洪水で自宅が浸水して1階部分の備蓄品が使えなくなっても、2階部分の備蓄品を使うことができます。
リスク分散は防災でも大変重要なことだと私は考えます。
そこで本記事では、保管場所の分散を紹介しています。
保管場所は以下の表を参考にしてください。
備蓄品 | 備える場所 |
保存水 | ドアの裏・部屋の隅 |
非常食 | キッチンの棚や収納 |
簡易式トイレ | トイレの棚や収納 |
カセットコンロ | 火器が無く室温が上がりにくい場所 |
ポータブル電源 | 収納 |
歯磨きシート | 洗面所の棚や収納 |
トイレットペーパー | 収納 |
水なしシャンプー | 洗面所の棚や収納 |
ウォーターバッグ | 持ち出し用防災リュックの中、もしくは家の収納 |
ご自宅の収納スペースの問題から、分散して保管する方法がとりにくい方は、まとめて保管する方法をとってください。
リスク管理の面では低くなりますが、備える事が第一です。
ローリングストック法を使う
災害用備蓄品を備える方法として最も一般的なのは「ローリングストック法」を活用することです。
ローリングストック法については、以下を確認してください。
「ローリングストック法」
普段から少し多めに食材、加工品を買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく方法をローリングストックと言います。 ローリングストックのポイントは、日常生活で消費しながら備蓄することです。
出典:トクする!防災より
つまりは災害用備蓄品を日常生活で使用することで、定量と使用期限または備蓄品の状態を管理する方法です。
いざ災害が発生した時に「使えない」とならない為にも、ローリングストック法をうまく活用することが大切ですね。
防災用備蓄品についてのまとめ
それではおさらいをしていきましょう。
災害が発生した後はライフラインの復旧も時間がかかりますし、救援物資もすぐに届くわけではありません。
自分の身は自分で守る必要がある為、災害用備蓄品を備えることは必須だと思います。
本記事で紹介した備蓄品リストを揃えていただければ、物資の面で困ることはありませんし災害時でもある程度の余裕は確保できます。
また、自宅用の備蓄品だけではなく携帯用の防災ポーチと持ち出し用の防災リュックも備えるようにしてください。
携帯用防災グッズの防災ポーチはこちらの記事で解説しています。