- 夏の災害はとにかく暑さが心配です。
- 夏の防災ポイントが知りたい
こんにちは。防災コンパスへようこそ。
今回は「夏の災害時の注意点と防災ポイント」について説明します。
この記事で分かる事
- 夏の災害で気を付けるポイント(暑さだけではない)
- 夏の防災グッズ
梅雨が明けると夏本番となり、気温が急上昇します。
近年では地球温暖化の影響もあり、気温が35℃以上の猛暑日が続くことも珍しくなく、中には40℃を超える日も記録されてますね。
そんな真夏に災害が発生してしまったら、注意すべき防災ポイントがその他の季節とは違ってきます。
まず結論から言いますが、真夏の防災ポイントは「暑さ対策」と「衛生対策」の2つです。
この2つの対策をしっかりと行っておけば、最悪の事態は避けることができるので、災害時でも比較的ストレスが軽減できるでしょう。
本記事では2つの対策をどのようにすれば良いのかを分かりやすく解説していきます。
いざ災害が発生した時に「しまった」とならない為にも、最後までお付き合いください。
【夏の防災ポイント】 暑さ対策
先ずは夏の防災で誰しもが思う「暑さ対策」について解説していきます。
夏の暑さで注意すべきポイントは以下になります。
注意すべきポイント
- 熱中症
- 不眠・疲れ
順に説明していきます。
熱中症
まず暑さ対策のなかでも1番不安の大きいのが「熱中症」ですね。
以下の図は平成24年~平成30年までの熱中症で救急搬送され人数ですが、平成30年の6月~9月の間に「92,710人」が熱中症になっているのがわかりますね。
熱中症は主に「夏の暑さ」「水分不足」から発症するのですが、いきなり熱中症になるわけではなく以下の段階があります。
脱水症>熱中症
段階としてまずは身体の水分が奪われて脱水症状が起こり、そこから熱中症を誘発します。
以下の表で「脱水症」と「熱中症」の違いを確認してください。
症状 | 特徴 |
脱水症 |
|
熱中症 |
|
熱中症は突然なるわけではなく、段階を踏んで発症するためまずは十分な水分補給が大切です。
ですが、平時の場合であっても9万人以上の方が熱中症になっていることを考えると、災害での避難先ではさらに過酷な状況が予想できますね。
ですから夏の防災では備蓄として「ミネラルウォーター」または「経口補水液」を備えておくことが必須です。
一般的なミネラルウォーターは消費期限が1年~1年半と短いので、長期保管(7年)ができる災害備蓄用保存水をおすすめします。
またその他の熱中症対策に効果的なアイテムはこちらです。
- 塩飴
- 帽子
- 扇子
- 冷却シート
- 手持ちタイプの小型扇風機
日ごろの熱中症対策と同じイメージでOKです。
上記で紹介した長期保存が可能な災害備蓄保存水を、詳しくレビューした記事がこちらのサイトで公開されています。
不眠・疲れ
災害時には多くのストレスが降りかかります。
「肉体的ストレス」+「精神的ストレス」+「暑さと湿度の不快感」で眠れなくなることも珍しくありません。
不眠は慢性的な疲れを引き起こし、更なるストレスへと悪循環を繰り返すことになるのです。
そこで熱中症対策でも紹介した、冷却シートと手持ち用の小型扇風機はストレス軽減におすすめです。
これらは私も普段から使用することが多く、ストレスの軽減に効果があるのでおすすめです。
【夏の防災対策】 衛生対策
夏の防災対策は暑さ対策だけではありません。
衛生面の対策も大変重要なポイントですね。
衛生対策
- 食中毒
- 臭い
順に説明していきます。
食中毒
避難先での食中毒には注意が必要です。
2016年4月の熊本地震のさいに避難所で配給されたおにぎりが原因で集団食中毒が発生しました。
これが6月~9月の真夏であれば、さらに菌の繁殖が進み被害が大きくなっていた可能性は高いですね。
また、食中毒の予防は避難所の運営サイドの改革も大きいですが、例えば在宅避難の場合もリスクがないわけではありません。
注意するポイントは以下になります。
- ため水は使わない
- 食料の食べ回しはしない
- 食品に触れるさいは、手袋をする・手を消毒する
- 食品の臭いや色などに注意し、少しの異変でも食べない
真夏の災害時で食中毒になると命にかかわります。
暑さと疲れで判断力が低下してしまう傾向にあるので、記事序盤の暑さ対策をしっかり行うことが食中毒を防ぐことにもつながっています。
全ての対策はつながっている事を理解してください。
におい
真夏の災害時ではにおいにかかわるストレスも多くあります。
特に女性の場合、毎月の体調不良のときなどにストレスを感じることも多く、避難生活でのにおいでPTSDになってしまった人もいるほどです。
特に妊婦さんは、普段でもにおいに敏感になるので、「私は気になりそうだな」と思ったら準備しておくと良いと思います。
においにかんしてのおすすめ防災グッズは以下になります。
- マスク
- 汗拭きシート
- 水なしシャンプー
- ペパーミントなどの抗菌作用の強いアロマオイル
順に紹介していきます。
マスク
新型コロナウイルス対策でも必須のアイテムですが、臭い対策にも有効です。
しかし真夏のマスク着用は熱中症のリスクが高まります。
手作りの布マスクなどが対策としては良いですね。
また、各メーカーからも夏用マスクが販売されており以前よりもラインナップが豊富です。
汗拭きシート
汗拭きシートは普段使いされているかたが多いアイテムだと思います。
夏は汗を多くかくので、汗のベタツキから汗のにおいが気になり不快感は相当なものです。
さらにお風呂に入れない状況が続くことも多いため、精神的ストレスが積み重なっていく傾向にあります。
そこで汗拭きシートをこまめに使い、清潔に保つことは被災生活を過ごすうえで大切であり臭い対策にも有効です。
冷感や刺激のあるものを好む人もいますが、防災グッズとしてはノンアルコール・無香料で低刺激な体ふきシートがおすすめです。
水なしシャンプー
このアイテムは優れものです。
夏場にお風呂に入れないことは相当なストレスになります。
わたし自身も耐えられないタイプなのですが、髪の長い女性は特に気になるポイントだと思います。
ペパーミントなどの抗菌作用の強いアロマオイル
アロマオイルは臭い対策には非常に効果が高いです。
また、夏バテの原因である自律神経の乱れを整えてくれる効果があるので精神的ストレスを大きく緩和してくれるアイテムですね。
なかでもペパーミントは暑い時期には最適なアロマで、爽快感のあるミント系の香りはひんやり心地良く、特にペパーミントの香りにはクールダウン効果が期待できるのでおすすめ。
さらに、ペパーミントの香りを嗅ぐことによって「体感温度が4度下がる」というデータがあります
以下をご覧ください。
1 ペパーミントの香りを嗅がない状態で、28℃の水に手を入れる。
2 ペパーミントの香りを嗅いだ状態で、32℃の水に手を入れる。
3 1と2の状況で、感じる体感温度が同レベルという結果が出ました。ペパーミントの香りを嗅ぐだけで、4度も体感温度が下がったというわけです。
出典 公益財団法人日本アロマ環境協会「アロマでクールダウン」
このような人におすすめなのが、気軽に購入できて簡単に使えるこちらのアイテムです。
清涼感を感じられる香りで、手持ち扇風機や洋服の襟元やマスクにスプレーすると、清涼感いっぱいの香りが広がります。
夏の防災対策 まとめ
それではおさらいをしていきましょう。
注意すべきポイント
- 熱中症
- 不眠・疲れ
衛生対策
- 食中毒
- 臭い
災害時に注意すべきポイントは「身体的ストレス」と「精神的ストレス」です。
暑さ対策だけでは精神的ストレスの緩和としては少し弱いので、衛生面の対策は必ず行ってください。
とくに女性目線の防災は見過ごされやすい傾向にあるので、防災の知識として認識しておくことが大切ですね。
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